恒例のICCサミット KYOTO 2019に行ってきたので、参加したセッションの感想などの雑なメモなど備忘録のために置いておきます。
ICCサミットとは
Industry Co-Creation ® (ICC) サミットは、「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンス。
https://industry-co-creation.com/events/icc-kyoto-2019
2月の福岡に引き続き、今回は京都にも参戦。
セッションの数が圧巻。いろいろな人に会えて、話せて、楽しかった。
第一線で活躍するトップリーダー(経営者・経営幹部・プロフェッショナル)が200名以上登壇し、3日間で業界動向やマネジメントに関する質の高い意見交換をする場です。800名の参加者の多くの参加者は東京から参加し、オフサイト合宿のような密度の濃い濃厚な時間を共に過ごします。
ICCサミットの特徴はセッションの「クオリティ」と「多様性」です。最大6会場同時開催されるセッションは「どのセッションも魅力的で選択に最後まで迷う」などが多くの参加者の声です。前回のICCサミット FUKUOKA 2019 (2019年2月開催)の事後アンケートでは全71セッションの評価を行いました。参加者のうち「最高だった(素晴らしかった」)」と回答した割合が参加者が60%以上のセッションは70セッション中 33セッションありました。
ICCサミット参加メモ
Session 1:スタートアップカタパルト
恒例のカタパルトから。
優勝はファストドクター。たしかにこのサービスは子どもがいる家庭にはとっても役に立ちそう。
ファストドクター
【公式】ファストドクター
保険適用の往診型夜間診療クリニック。かかりつけの患者だけでなく、全ての患者に対応し、救急車代わりを目指す。
提携医療機関に診療ソリューションも提供。救急医療全体のプラットフォームを目指す。
他にカタパルトに出ていたサービスとして、デザインやフロントエンドの部分にAIサービスが入ってたのは、時代の流れなんだなぁと思った。
簡単にできるものは、パターンで大丈夫。こだわり持つものだけ、こだわって作るようになりそう。
ところで、AIっていうのかい、こういうのは。
AIR Design
AIを使ったクリエイティブ制作サービス
1,200倍の速さでロゴ制作ができるようになるAIデザインのAIR Design。8時間のロゴ制作が15秒に。
ロゴに留まらず、全てのデザインに適用可能。スピード重視でこだわらないなら、これで良いかもなー。
front-end.ai
FRONT-END.AI | AIでフロントエンド開発を自動化する
フロントエンドの開発を自動化する。sketchなどのデザインデータから、HTML/CSSのコードを生成。企業ごとのコーディング規約を独自学習。
none CMS分野から全ての分野が対象に。
Session2:「CXは経営に寄与するか。CXと経営の関係を議論する」
プレイドのスポンサーセッション。
こちらの方々に登壇いただき、ディスカッション。
朝霧 重治 株式会社協同商事/コエドブルワリー代表取締役 兼 CEO
志賀 智之 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン 執行役員CMO/CIO
深津 貴之 THE GUILD CEO
藤原 義昭 株式会社コメ兵 執行役員マーケティング統括部長
倉橋 健太 株式会社プレイド 代表取締役社長(モデレーター)
モリジュンヤ 株式会社インクワイア 代表取締役社長
いくつかおもしろいと思ったことのメモ。
- 会社によって、CXの捉え方が違う
- ミッションドリブンなら、CXが事業そのもの
- 利益ドリブンなら、手段のレイヤー
- 利益ドリブンを突き詰めても他の会社/サービスとの差が出ない。そうなると、今できる/取り組むべきなのはCX。
- CXは企業理念、ミッションから降りてこないといけない。
- その行動がCXにつながる。
- 提供する側が楽しんでいるのが、ワクワクにつながる。
- 良いCXは現場で作られる
- こういう世界観作れますというツールのプレゼンを聞いたら、お客さんがどういう行動するか、頭の中で動き出す。数字の説明されても、数字しか思い浮かばない。
- ユーザーを主語にして定性を取っていく。
- エンドユーザーにとって何が大事かという観点。ラストワンマイルで人が介在する価値は高い。そこを共にいかに一緒に考えられるかが大事。
- CX=経営というくらい同一なものなのかな。手段と思っていない、ミッションドリブン。
- 現場統括だとうまくいかない。どう大事だと理解してもらうかが大事。創業者などがいるとやりやすい。
- 新たにCXの視点を導入してもらうには、社長や役員に分かってもらうしかない。
- 会食を減らしてでも、社長や役員がユーザーとの遊ぶ、ユーザーと会うのをオススメしている。そうすると意識を持ちやすい。
- お客様と経営者と距離が遠くなると、数字としか見なくなる。
- 全員がCXの意識を持つにはお客さんと向き合うしかない。現場に出る。
- CXというテーマで言うと、お客様と対峙しないと分からない
- いかにCXを大切にするかといううねりを会社の中で大事にする。
Session3:この時代にエンターテインメントはどう育てるのか?
バンダイ佐藤さんの冒頭の言葉がまさにCXの視点
「アニメであっても、おもちゃであっても、売って終わりではなく、運営型の関係をどう築くかということを最近考えている」
世界観をどう作るか
クラシコム青木さん
「まず取り組むべきは、漫画や小説だった。なぜなら少ない人数で取り組むし、世界観を作りやすい。
クラシコムは、ファンに届けるべき世界観が決まっているので、それに沿ったコンテンツを作りやすい漫画や小説から取り組むべきだった。」
ユーザーの顔を見る
バンダイ佐藤さん
「新しいものを作った時に大事にしているのは、ユーザーの顔が見えるかどうか。
視聴率は数%だが、仮面ライダーのベルトは3人に1人くらい、多くの子どもが持ってる感覚ある。
この場合には数字だけが全ての評価指標ではない。実際にユーザーがいるかどうか。」
世界観をつくりあげ、継続すべき
クラシコム青木さんは世界観をとても大事にしてると言うことがわかる発言。エンタメこそ、世界観が大事。
「一回成功した世界観をやりつくさないのは、怠慢。
海外ドラマのシリーズだったり、日本だったら寅さんとか釣りバカ日誌とか。
一度作った世界観をやり抜いてほしい。」
世界観を作ることが大事。
世界観を持って、その世界観を好きでいてくれるファンにメディアや商品を届ける。
その延長戦としてのコンテンツ。世界観を持ったコンテンツを、世界観を生み出す主体の企業が作った方が強くなるよなぁ。
広告もコンテンツとして考えることが大事。
Session4:高い熱量を持つコミュニティはどのように生み出されるのか
顧客体験、満足度のために妥協しない
よなよなエールの超宴は、5,000人のファンが集まる。
かなり投資しているが、圧倒的な満足度を提供することを目指しているので、妥協しない。
自分たちが高い熱量を持っているからこそ、熱量ある集まりができる。
熱量の高いコミュニティから
IT業界の人事戦略という括りだと、範囲が広くて刺さらないが、SaaS業界の人事戦略だと熱量高く集まる。
同じく住宅業界のセミナーだと集まらないが、リフォーム業界なら集まる。
より熱量の高いコミュニティから刺していくということが大事。
自分たちが熱狂し、自分たちでつくる
コミュニティ作る時には属人的になりがちだけど、ヤッホーブルーイングは井手さんがいなくてもイベントが成り立つようになってる。
今度のイベントも家族旅行と重なり、泣く泣く不参加。
なぜこれができるか?代理店に丸投げせずに、みんなで作り上げる。自分たちでやるのが大事。
相手のことを知る、熱量を持つ、熱狂する。
EXILEが熱狂的なファンを作れているのは、経営にもメンバーが入って、みんなが関わっているからでは?
長瀬さん
「そうだと思う。やはり、現場や相手のことを知らないといけない。これはユニリーバのリプトンブランドでもそうだった。」
相手のことを知る、熱量を持つ、熱狂する。
Session5:教えてほしい! 「アート」「教養」とは何か?
違和感、感情の発露。
ケトル嶋さん
「違和感ある行動は人間の知られていない欲望の発露。
例えば、ペットの散歩なのに、バギーに乗せている人。散歩になっていないけど、どういう意図があるのか。」
これを考える、気づくのがマーケター。アーティストは直感で分かる。
アートとは
スマイルズ遠山さん
「アートは1コマ漫画。ビジネスは4コマ漫画。」
そして、「教養とはコマ間。」
教養とは
嶋さんの名言ぽい言葉。
「教養は過去から来たもので、アートは未来から来たもの。」
過去の積み上げか、未来か。アートについてわからないこと多いけど、未来については見ておかないといけないなぁ。
修行の話
全くコンテクスト知らない、普段だったら行かないことに月1くらいで行ってみる修行を嶋さんはしている。
地下アイドルのコンサートだったり、ぜんぜん知らない演歌歌手のディナーショーだったり。
普段の自分を続けると世界がどんどん狭くなるから気をつけないといけない。
Session7:スポーツビジネスの魅力と可能性
スポーツの4大収入
スポーツのスポンサーやオーナーにも、スポーツのプロフェッショナルの視点が必要。
とはいえ、収入は入場料、スポンサー、グッズ、放映権料なのでシンプル。そこを踏まえて、ちゃんとマーケティングすることが必要。
熱狂=文化、レジャー=産業
スポーツビジネスは、レジャー側と熱狂側、どちらに経営としては今後向かっていきたいと思うか?
熱狂=文化、レジャー=産業は両立できる。させる必要がある。
熱狂だけではスタジアムの一部しか成り立たないので、レジャーで来てくれる人も必要。
スポーツはコミュニケーション
Bリーグ葦原さんは、「スポーツは、コミュニケーションではないか」と最近考えている。人と人とをつなぐものがスポーツではないかとのこと。
たしかに、場と人とも繋いでいるし、他で交わることがない人たちともスポーツを通じて一緒に熱狂できることもある。
4大収入のその先
プロスポーツの4大収入が進化するためには、試合がある日だけが接点ではなく、「365日稼げる」ことにすることが大事。
そのためには、球場と球団を一体で持っていないと進化しない。
この視点はよく言われるから、行政も柔軟に対応してもらえると明るくなってきそう。
mixiはITカンパニーではなく、コミュニケーションカンパニー
mixiはITカンパニーではなく、コミュニケーションカンパニーだと考えている。
IT企業だからmixiが経営をITで変えたというわけではなく、コミュニケーションを変えたという意識。
FC東京の青赤パークは良い取り組みの事例。
「今までになかった!」FC東京のホーム開幕戦を盛り上げた『青赤パーク』はいったい何が凄い!? クラブの狙いは? | サッカーダイジェストWeb
スポーツクラブの経営
スポーツ特有の事情として、元選手が経営・事業に関わっている場合も多い。
競技のプロだが、経営・事業のプロではないので、外部からプロが入ってくると経営変わることもある。
経営と競技の観点は分けて考えた方が良さそう。そう考えると、調子悪い時に社長が出て行くのは変。
チームの勝ち負けだけを売っていない
「自分のチームは何を売っているのか」ということを間違えないチーム、ちゃんと理解できているチームは強い。
チームの勝ち負けだけを売っていない。
観戦体験の共有を売っている。
CXの観点で言うと、「チームとのつながり」かな。365日のつながりを考えるのがスポーツのCX。
ビジネスを伸ばすという視点
ラグビーであっても、女子スポーツであっても、盛り上がるために必要なのは、「ビジネスプロデューサー」の存在。
やはり、スポーツクラブであってもビジネスを伸ばす人材が大事であって、当たり前だけど普通の会社と同じなんだなぁ
Session10:人生は旅である。旅についてアツく語ろう
とにかくたくさん旅にでないといけない、そう思わせるセッション。
パプアニューギニアの話が最高だった。
Session12:子育て経営学
子どものやりたいこと、好きなこと
子どもに好きなことを見つけてもらう、やりたいと思うことをやってもらうのも大事だけど、それを続けていけるようにしてあげるのも大事。
例えばピアノが嫌いとなった時には、本当にピアノを弾くことが嫌いではなく、先生が嫌いかもしれない。
そういう時には、新しいことをやらせてあげることも大事だし、すぐに飽きたと勝手に判断せずに、別の角度でもう一度挑戦できるようにしてあげることも必要だなと。
飽きた、嫌いは軽く言ってるだけのこともあるから、気にしないというのも大事だなぁと。
自分の再現しようとか、
自分のできなかったことをやってもらおうとか、
自分主体じゃないように考えるのが大事なのかなぁ。
子育て、ではなく、子どもと一緒に生活する、という意識。
全体感想
- 世界観をいかにコンテンツに落とし込むか
- 熱狂はここでもキーワード
- もっというと、Comsummatory
- 仲間の食欲がやばい
- 朝から夜まで徹底的に頭を使うICCの良さ(=疲れ)があって、良かった
おまけ:サウナの梅湯にドハマリした
良いわー、梅湯。今度から京都行ったら、毎回行こう。
3夜連続ナイスイン
京都で行くべき #銭湯 といえば、サウナの梅湯。@umeyu_rakuen
26時まで営業、#サウナ 無料で入浴料430円。手書きの注意書きや梅湯新聞、ロビーに置いてある漫画など、来る人たちが心地よく過ごせるようにやれることは全部やろうという姿勢を感じて素晴らしかった。#icc_kyoto2019 の方々は是非。 pic.twitter.com/HIQuKVEuXQ
— 川久保 岳彦|#CXDIVE & #銭湯おじさん♨️ (@kawatake) September 2, 2019
今日も我々は #サウナの梅湯 @umeyu_rakuen で健康的に整ってきました。
昨日の銭湯体験が良すぎて、#プレイド銭湯部 への入部希望者が一気に増えた感。みんなハマってきたし、整う感覚が分かってきた模様。#サウナ だけもいいけど、せっかくなら町の #銭湯 ですね。#銭湯おじさん #今日の銭湯 pic.twitter.com/u7nB5jQ3cX— 川久保 岳彦|#CXDIVE & #銭湯おじさん♨️ (@kawatake) September 3, 2019
みんなが京都の深夜中華の定番、マルシン飯店で馬鹿食いしている間に一人で #サウナの梅湯 で、3夜連続ナイスイン。
もう京都といえば梅湯抜きでは考えられない体になってしまった。#今日の銭湯 #銭湯おじさん pic.twitter.com/vEtR2ubc7k— 川久保 岳彦|#CXDIVE & #銭湯おじさん♨️ (@kawatake) September 4, 2019