雑誌という良質なコンテンツをどう摂取するか悩んでいるという話

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近年、雑誌を意図的に “紙の”媒体では買わないようにしていた。

理由としてはこんなところ。

  • dマガジン、楽天マガジンといった素晴らしいサブスクリプションのサービスがある
  • 新しいサービスでの体験を考える上では、なるべくそっちを利用したほうが良いと思ってた
  • 実際、めっちゃ便利
  • 大きな理由じゃないけど、”やっぱり紙が“勢に対して、抵抗すべき一つの何かが欲しかった
  • やっぱり紙が” の主張は分かるけど、体験せずに言い続けるのはフェアではないと思っていた

実際、月額300円ちょっとで何百誌の雑誌が読み放題って、凄すぎる。


余談ではあるが、中高時代は寮に入っていて、平日はコンビニにすら行くことができない環境だった。

雑誌が欲しいと思ったら学校の購買部的なところで事前に注文をして仕入れてもらうのみ。

偶然欲しいと思った特集で買うといったようなことはできるわけなく、いつも同じものを読むしかない。

そんな環境だったし、当時は興味の範囲も狭かったので、「サッカーダイジェスト」を読み続けた。
インターネットもない時代に、入ってくる情報はこの雑誌と日々の新聞(これは寮に置いてあったので、スポーツ欄だけさっと読むことができた)だけ。

毎週、くまなく「サッカーダイジェスト」を読み尽くした。ほぼ6年間ずっとあれだけ「サッカーダイジェスト」を読み続けたのは(少なくとも周りのでは)自分だけだったと思う。

あとは、年末年始の前のテレビジョン。なぜかみんな買う雰囲気だったので、買ったことがある気がする。

実際のところ、そこまでテレビを見なかったのだけども。


そんなわけで、雑誌を定期購読するのには慣れていたけど、その習慣に戻ったのは大学時代を飛び越えて、社会人になってから。

広告業界で働くにはあまりにもなにも知らなすぎた自分の知識の少なさを補うため、マガジンハウスの媒体を中心としていろいろな雑誌を買っていたなぁ、そういえば。

最近、2年前に買ったAndroidタブレットを壊してしまった。
CPUとメモリの性能がいまいちすぎて、どうも動いてくれない機種だったけど、使えるからもったいないと思って使っていたところ、運悪く落下。

しかも、修理をするともともと買った代金とおなじくらいの金額になるということで、修理はせず。

そうなると、サブスクリプションサービスでの雑誌を見ることができないので、”紙の”雑誌を買うことにした。

そうすると、昔よりもさらに、”紙の”雑誌が良いコンテンツだなと思うようになった。

  • 雑誌としてのテーマが決まっている
  • テーマだけでなく、立ちふるまい(=トンマナ?)も、もちろんある。
  • そこに、毎号の特集という括りもある
  • 特集とは関係ない、「定番コーナー」「連載もの」がまたすごくいい。

雑多に書くとこういう感じ。

“紙の質感”云々ではなく、「雑誌名を冠したその雑誌ならではの場で、ある特定のテーマを切り取り、さまざまな事象を独自に解釈して届けてくれる」という居心地のよさなのかなと思った。


さて、ここで悩みの話に近づいてくるのだけど、その良質のコンテンツにどうやって普段から触れれば良いのだろうという話。

いまの雑誌は、多かれ少なかれ、オンライン版もある。
オンラインでも、同じようにコンテンツを提供しているし(dマガジンとか楽天マガジンのようなものではなく、ウェブの記事として)、内容は同じなのだけど、読む場、読むときのこちらの姿勢によって、いろいろ違うものだなぁと思う今日このごろ。

雑誌のコンテンツが良質というのは改めて体感したものの、オフラインの雑誌はシェア、記録に遠いし、なかなか難しいところもある。

オンラインの雑誌も、単発の記事として取り出されたときには、雑誌としての文脈がなく記事が切り出されるので、どこか少し物足りなさ(コースの一部であるのでそれは当たり前なのだけど)も感じる。良い記事だけど、細切れのコンテンツ消費の生活の中では、なかなか出会えない。

そこをうまく解決する手段、欲しいなぁ。

SmartNewsのタブのように、一つの世界感にしか没頭できないウェブ体験があればいいのかな。

他の人がみんないいとおもっているからタイムらいに流れてくる記事や連載ではなく、自分がいいと思っているテーマを取り扱っているからこそ読みたい記事、連載を読みたい。

ウェブの見出しで判断文化が良くないのかもしれない。

“紙の”雑誌のように、個々の特集(記事)のキャッチーさで読むか読まないかを決めるのではなく、全体のテーマで読みたいと思うから読み進めてみたいと思える世界観を、ウェブの世界にも実現したいなぁとふと思ったメモ。


dマガジンや楽天マガジンの体験の話は、単純にスペックの低いAndroidタブレットで読むと質が悪かっただけかもしれない。

iPad Proで読むとまったく違うのかもしれないけど、それはそれとして。

編集とか、キュレーションとか、どういうことなのかいろいろ考えているけど、それもまた別の機会に。

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