昨年のDIGIDAY BRAND LEADERSに続き、DIGIDAY PUBLISHING SUMMITに参加。
BRAND LEADERSは、いわゆる広告主企業と言われる企業を中心とした集まり。
今回のPUBLISHING SUMMITは、新聞、雑誌、テレビ局といったコンテンツをPUBLISHする企業中心の集まり。
どちらの会にも、課題を解決するためのテクノロジーを提供するパートナーとして参加してきた。
前回の感想
前回は、2017年8月の開催。
久々に広告文脈の話だったと思いだした。
3年ぶりくらいに広告の世界どっぷりの話でしたが、広告主の抱えている課題感の認識はズレてはなかったので、これからどんどんKARTEで協業・お手伝いできることが広がっていくなと改めて。
広告業界(宣伝部)の抱えている課題を広告文脈じゃくて解決する、というのは面白いアプローチだなと感じてるので、自分や、今回は「Tシャツの配りのJ」として活躍した同じく博報堂出身の後輩とともに、広告業界出身、できれば『メディア/パブリッシャー界隈の事情に詳しく、その辺の世界を変えるアプローチをしたい』と思ってる人誰かいませんか?そろそろ「日本を裏で操ってる」とか「黒幕」とか言われるのに飽きた汐留の会社の方とか来てくれないかなー。
誰かそんなグルーヴの人いたら紹介してくださいー。紹介してくれたら、キリン一番搾りを奢りますよ。まあそんなバックグランドなくても、銭湯好きなナイスパーソンだったら、いつでもウェルカム♨️
https://plaid.co.jp/recruit.html
今回の感想
デジタル時代でのパブリッシャーの悩みを改めて理解できたし、パブリッシャーでもブランドでも、「顧客を知り、顧客にどういう体験を提供するか」という点がこれからますます大事になりそうだと感じた。
雑誌は特に苦境だけど、世界観を強烈に持っているし、熱烈なファンもいる。
その強みを活かせる顧客体験を一緒に作り出していきたいと思った。
特に雑誌が好きなこともあり、出版社の方とけっこうスピリチュアルな話をして、自分の中で勝手に盛り上がったのは面白かった。
顧客体験の一例
今回、面白いなと思ったのは晋遊舎の360.lifeというウェブサイト。
どうやって媒体価値を高めるか=広告の効果を高めるかに議論がいきがちなところ、広告を一切入れないサイト作りをしている。
また、紙の雑誌も発行しているが、そこからの移行ではなく、オンラインで新たに立ち上げたサイト。
最近、初めて単月黒字も達成したらしい。
https://t.co/smwu8vxIP6は広告を入れないガチのテストサイト。
やらせなしのガチのテストなので、一記事にかける工数が他誌よりかなりかかっている。
オープン10ヶ月で1000万PV達成。 スペック表でランキングをつけているサイトとは価値が違う。 #Digidaydpsj— Takehiko Kawakubo (@kawatake) 2018年2月8日
今後は、「何が本当に良いか」をシンプルに分かる場所を提供する。
ネットの口コミではわからない。店頭に行っても実は知っている人がいないことが多い。
雑誌は「ベストバイ」メディアであるが、https://t.co/KPCxgyc6yDは「マイベスト」サービスを目指す。#Digidaydpsj
— Takehiko Kawakubo (@kawatake) 2018年2月8日
この話はとても面白い。
広告なし、やらせなしのガチでテストをして、ユーザーにとって何がいいかシンプルに分かる場所を提供するという理念。
モノを選ぶ、というユーザーの体験において雑誌、コンテンツ、サービスがどう寄り添うべきかという一例。
広告が入っていないといっても、ランキングにおいて良い商品に関してはアフィリエイトのリンクを貼っているので、収益は得ている。
ただし、ワーストで紹介しているものにはアフィリエイトは貼らない。そのあたりも考えられている。
こうやってユーザーのためにどうあるべきか、を真摯に考えて取り組んでいる会社の話を聞けて、とても良かった。
ネイティブアドから、自社制作、スタジオ化の流れ
今回、いくつか紹介されていたのが、ネイティブアド、タイアップを作るという流れから、自社制作、スタジオ化の流れが紹介されていた。
広告を掲載するのではなく、記事を制作しないといけなくなった、そのクオリティがパブリッシャーに求められているのだなということ思った。
例えば、コンデナストさん。
コンデナストスタジオの差別化はどうやってやるのか?
編集者の力が大きい。
データも大事だけど、エモーショナルなコンテンツが大事。これは編集からもたらされる。ここは非常に高い対価となる。とにかくブランドを強くする、いろいろなところに展開するとそれが収益につながる。
— Takehiko Kawakubo (@kawatake) 2018年2月9日
そのときに、パブリッシャーに限らず、むしろコンテンツを作れるチーム、人材の組成というのも大きな課題として抱えているんだなと思った。
パブリッシュできる場が増えるに連れ、コンテンツを作れる能力が大事になってきている。
これはパブリッシャーだけでなく、ブランド企業でもどこでも同じだと思うが、発信できる場が増えてきて、色々なコンテンツでユーザーとの結びつきが必要になってくるからこそ、そこを作れる人が求められている。
あるパブリッシャーの人と話した時に出てきた言葉で印象的だったのが、「コンサルティング、アドバイスだけをしてくれる人は要らない。自社のブランドの世界観、強みをしっかりと理解し、実行に移せる人間が必要。」という言葉。
世界観を理解して、もっと強められる人材が必要ということかな。
これはコンテンツ制作ということでもそうだし、デジタル施策ということでもそうだった。
ブランドの世界観があり、既にファンがいるパブリッシャーだからこそ、より深く考えれる人材の重要性が高そうだった。
余談
エンタメビジネスのセッションで、SHOWROOMの前田さんが話していた話。
これから必要なのはレストランではなく、スナックの感覚。最初についた濃い10人をいかに大事にできるかが大事。
— Takehiko Kawakubo (@kawatake) 2018年2月9日
これは、エンタメでも、パブリッシングでも、通常のマーケティング活動でもどこでもそうだと思う。
熱狂の中心をいかに作り出すか。
けっこう今年はこの部分に取り組んでいきたいなーと思ってる。
あと、エンタメビジネスは第三世代らしいです。この分類は分かりやすいね。
SHOWROOM前田さん
エンタメビジネスは第三世代。
1.パッケージ、DL/サブスク➝モノコンテンツ価値
2.ライブ興行、グッズ販売➝モノ×ヒト体験価値
3.直接支援モデル➝ヒト共感価値
第三世代は無限の広がりがある。— Takehiko Kawakubo (@kawatake) 2018年2月9日
というわけで、前回も「広告業界出身、できれば『メディア/パブリッシャー界隈の事情に詳しく、その辺の世界を変えるアプローチをしたい』と思ってる人誰かいませんか?」と書いているけど、誰かいないかなー。
課題解決を越えた事業開発的な部分までいろいろと協業できそうだなと妄想膨らんだので、そういうのやってくれる、得意だって人、一緒に仕事したい。
https://plaid.co.jp/recruit.html